BIZEN PRODUCTとは

「BIZEN PRODUCT」とは、「焼物」以外のかたちで、伊部という土地や備前焼の魅力を発信するために立ち上がった商品企画ユニット。 


その第1弾では「備前焼の存在がもっと日々の生活に寄り添うように」という思いを込め、備前焼の特徴である焼色をノートに落とし込みました。


2019年10月の備前焼まつりから、商品の販売をスタートしました。


立ち上げメンバーは、伊部で窯元・ギャラリーを営む藤田恵・木村敦子と、備前出身のデザイナー・南裕子の3人。


「備前」と「備前焼」

備前焼は、岡山県備前市伊部(いんべ)地区周辺を産地とする焼き物です。

瀬戸内海に面し、穏やかな海と豊かな里山に恵まれた備前市。伊部の街を中心に約300人ほどの備前焼作家がおり、JR伊部駅周辺には多くの窯元・備前焼のギャラリーが軒を連ねています。


ここでは古くから「ひよせ」と呼ばれる良質な陶土が採掘されており、その土を用いて1000年もの間備前焼が作り続けられています。

「ひよせ」は鉄分を多く含み、ねっとりとした質感で形成しやすい粘土。収縮率が高く耐火度が低いため、1〜2週間ほどかけてじっくりと焼き締めなければなりません。


焼成に使うのは、昔ながらの穴窯や大きな登窯。松の割木を燃料に、昼夜を問わず交代で焚き続け、最高温度は1300℃以上にも達します。その高温さゆえに、強度が高い焼き物に仕上がるのです。

土と炎が融合してうまれる景色(模様)

備前焼の大きな特徴の一つが、釉薬を使わず、窯の中で土と炎が融合することで景色(模様)が生まれる、ということ。


稲わらで作品を巻いて焼成すると赤茶色になる「緋襷(ひだすき)」、割木の灰が作品にかかり、ガラス質に変化した「胡麻(ごま)」といった多彩な景色。しかし最終的には気候など自然の影響も大きく、予想外の芸術が誕生することも。それが備前焼の醍醐味でもあります。


「須恵器」をルーツに、平安、鎌倉、室町と色や形、窯の形状をも変えながら、人々に愛されてきた備前焼。茶道具としての人気の上昇や、岡山藩主によって窯元が庇護されるなどの変遷がありながら、窯の火は絶えることなく様々な努力は続けられました。

現在では、伝統的な作風の備前焼に加え、今のライフスタイルに合った日常食器から、アート性の高い個性豊かなオブジェに至るまで、作家や陶工によって一つひとつ手作業で作られ続けています。

備前焼の長い歴史と、今を生きる作家たちによる新しい焼成法やデザイン。どちらも息づく伊部の街へ、ぜひお越しください。


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